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伸びるチームと迷うチームの違い|地域インターンの始め方

  • 執筆者の写真: 豊留 侑莉佳
    豊留 侑莉佳
  • 2025年12月11日
  • 読了時間: 5分
ミーティングを行うチーム

春期インターンの準備が動き出すこの時期になると、毎年のように思い返す場面があります。

学生と地域企業がひとつのチームになり、まだ手探りの状態からプロジェクトが立ち上がっていく過程。その中で、伸びていくチームと、迷い続けるチームがはっきりと分かれていきます。

違いをつくっているのは、必ずしも努力の量でも、スキルの差でもありません。実は、もっと静かで繊細な「初期の整え方」にあるのです。



1|「目的の輪郭」が揃っていること


地域プロジェクトは、企業も学生も「良いことをしたい」という善意や熱意からスタートするケースが多いもの。だからこそ、目的の曖昧さが放置されやすい特徴があります。

目的が共有されないまま走り始めると、学生は「正解探しモード」に陥り、企業側は「何か違う」と感じるようになります。小さなズレが、雪のように積み重なっていくのです。


逆に、成功するチームは初回のミーティングで、こんな会話が必ず交わされています。

  • このプロジェクトで何を達成すると「成功」と言えるか

  • 学生にはどのような成長機会を提供したいか

  • 企業が本当に解決したい「痛み」はどこか


輪郭が揃った瞬間、学生は迷いから解放され、企業側も伴走者としての立ち位置がはっきりします。


特に重要なのが、企業が本当に解決したい痛みを把握することです。語弊がある言い方かもしれませんが、企業が本気で解決したいと思う課題でなければ、プロジェクト期間中も学生に対しても、企業側がコミットできないからです。


企業もコストをかけて、自社の課題を真剣に解決するために取り組んでいる。

この「目的の輪郭」をそろえることで、プロジェクト全体の加速度がまったく変わります。



2|「観察フェーズ」を必ず挟んでいること


伸びていくチームの共通点は、いきなり作業に入らないこと。

最初の3日から1週間は「現場の観察」や「ヒアリング」にしっかり時間を使います。現場で起きていることを、学生が自分の目で見て、耳で聞き、手を動かしながら理解する。このプロセスを飛ばすと、学生が「外側の理解」だけで判断し、施策がズレていく原因になります。


ヒアリングメモをとるビジネスマン

特に、普段から自社の事業に触れている企業と、学生とでは、そもそもの情報量が異なります。初めてインターンを受け入れる企業の中には、「学生の新鮮な視点や斬新なアイデアを期待したい」という声もよく聞きますが、実は学生に限らず、頭の中の情報の引き出しが少ない人には、新しく斬新なアイデアを捻り出すことは困難なのです。


学生に新しい視点やアイデアを期待するのであれば、なおのこと、観察フェーズを挟み、情報の引き出しをたくさんつくってあげる必要があります。


観察は、地域プロジェクトにおける「土壌づくり」です。土が整っていれば、どんな施策も根を張ります。整っていなければ、どれだけ頑張っても成果が出にくい。

観察フェーズは、成功チームの静かな共通言語と言えます。



3|役割の期待値が明文化されていること


地域企業の多くは「学生にはどんどん動いてほしい」という想いを持っています。一方で学生側は、「どこまで任されていいのか」分からず、身動きが取りづらくなる場面がよくあります。


この「役割の期待値」がぼんやりしたままスタートすると、学生は消極的になり、企業は「もっと主体的に動いてほしい」と感じ、双方の不満がゆっくり蓄積していきます。


成功するチームは、初期にこれを明文化します。

  • 学生はどこまで決めてよいか

  • どこが企業側の守備範囲か

  • 相談はどのタイミングでするべきか


これだけで、プロジェクトの空気が見違えるほど滑らかになります。



4|失敗できる「余白」があること


地域プロジェクトの強みは、成果だけではなく「挑戦の余白」があることです。学生が失敗できる環境をつくれるかどうかが、その後の成長に大きく影響します。


ブロックに挑戦する人

企業側が「一度やってみよう」と受け止め、学生側が「試行錯誤していいんだ」と理解できた瞬間、プロジェクトは一気にクリエイティブな場になります。


早すぎる正解の提示は、学びの芽を潰してしまいます。

逆に、丁寧な余白づくりは、学生の主体性を静かに引き出すのです。



5|定期的な「認識合わせ」があること


成功するチームは、週1回でも短い時間でもいいので、必ず認識合わせを行っています。


特に大事なのはこの3つです。

  • どんな進捗が生まれたか

  • 今抱えている違和感は何か

  • 次の1週間で何に集中するか


過去に実施したインターンシップでも、うまくいくプロジェクトもあれば、残念ながら途中終了となったプロジェクトもあります。途中終了や失敗と言われるプロジェクトの最大の共通点は、このコミュニケーションの壁による認識不足が原因と言っても過言ではありません。


地域プロジェクトは環境要因の揺れが大きいため、この「定期リセット」が効果的に作用します。コミュニケーションルールをつくったり、いつでもお互いの連絡が確認できる状態をつくったりと、会話の姿勢を持つことが、覚悟やスキルよりも大事なことかもしれません。



おわりに


今回挙げた5つの要素、すべてを完璧に整える必要はありません。

まずは初回ミーティングで「目的の輪郭」を30分かけて話し合ってみる。観察フェーズを最初の1週間に組み込んでみる。そんな小さな一歩から始めてみてください。


成功に向けて手をあわせる人々

地域プロジェクトは、やり直しがきく場でもあります。途中で「なんかズレてきたな」と感じたら、この5つに立ち返ってチェックしてみるのもおすすめです。


この春のインターンが、学生にとっても企業にとっても、実りあるものになりますように。



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